ポスティング撲滅!!立入禁止と不法侵入の話。
僕、マンションに住んでいるんですが、以前、仕事から帰ってきたらポストにお墓のチラシが入っていました。
一応小洒落たマンションで、ご年配の方がいないところだったのですが、墓のチラシ。
ふむ、今すぐ◯ねと。
というわけで、今回はポスティングについて、刑法的側面から考察したいと思います。
罪刑法定主義
さてさて、以前の記事の脱線話。
日本は罪刑法定主義(憲法31条)を採用しているので、法律に規定されていないことは犯罪になりません。
ポスティング自体は犯罪として規定されていませんので、ポスティング行為を捉えて犯罪であると考えることはできません。
ポスティングと住居等侵入罪
ポスティング行為自体を違法ということはできませんが、マンションへのポスティングって、共用部分にある集合ポストに一つずつ投函していくので、マンション敷地に入ることになりますよね。
この敷地に入る行為に関して、刑法上次の条文が問題となり得ます。
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
刑法130条は、前段で住居侵入罪・邸宅侵入罪・建造物侵入罪・艦船侵入罪を規定し、後段で不退去罪を規定しています。
一つの条文で5つの犯罪。
めっちゃ欲張り。
今回はこの中の一つ、邸宅侵入罪が今回の主役です(`・ω・´)
タイトルは聞き馴染みのあるものをチョイスしてしまいました(*´ω`*)ゞ
管理人と立入禁止立看板の法的意味
邸宅とは、人が現に住んでいない空き家などをいうのですが、マンションの共用部分は「住居」ではなく「邸宅」だというのが判例の立場。
「住居」ではない場合、「人の看守する」という構成要件が加重されるので、実務上「住居」か否かは意外に重要(´・∀・`)
構成要件?(´・ω・`)という方はこちらの記事を!
そして、「人の看守する」とは管理者による事実上の管理支配のことを言います。
これをマンションで考えてみましょう(`・ω・´)
マンションって、入り口に管理人さんがいたり、防犯カメラが設置されていたりしているところも多いですよね。
つまり、管理人や防犯カメラによって、事実上の管理支配がなされているといえます。
そのため、こういったマンションの共用部分は「人の看守する邸宅」に該当します。
また、入り口付近には管理組合名義や管理会社名義で「正当な理由なく本建物に入ることを禁ずる」とか「チラシお断り」だとか書いてある立看板、ありません?
僕の入居するマンションにも管理人&防犯カメラのコンビと、入り口のわかりやすい場所に管理組合名義の立看板が置いてあります。
アレ、実は法的にとても意味のあるものなんです。
住居等侵入罪が成立するためには、当然ですが住居や邸宅等に「侵入」する必要があります。
そして、「侵入」とは人の意思に反する立入りをいうので、管理組合や管理会社など、マンション共用部分を管理する管理者名義で「チラシお断り」などと表示することで、ポスティング目的の立入りが、その意思に反するものに該当することになります。
つまり、この立看板に反するポスティングのための立入を「侵入」にランクアップさせます。
看守と侵入。
この二つの要件を満たすために監視カメラと立看板があると思うと、意外に強か。管理組合(`・ω・´)
今回のまとめ
以上のとおり、監視カメラや「チラシお断り」などの立看板があるマンションへのポスティング目的での立入りは、邸宅侵入罪に該当し得る行為となります。
といっても、警察に通報しても実際は宥められるだけかと思いますので、各自で対応が必要かなとは思いますけれども。はい。
墓のチラシが入っていたときには、さすがに写メを撮ってしまいましたが、僕の場合、基本はゴミ箱直行です( ^ω^ )
効果的なポスティング対策があればぜひ教えてください( ^ω^ )
あとがき
ちなみに軽犯罪法1条32号は、「入ることを禁じた場所…に正当な理由がなくて入つた者」を処罰する規定があり、住居等侵入罪より広い処罰範囲となっています。
両方に該当する場合は、より重い方に吸収されるため(法条競合といったりします)、この条文の出番は多くありませんが(というか、この記事書くまでこの条文知らんかった(´・∀・`))、やっぱり軽犯罪法の処罰範囲が広すぎて地元のヤンキー全員しょっぴけるんじゃないかと思いました。
僕自身があまり軽犯罪法に馴染みがないことが、この法律が濫用されていない証拠ですね( ^ω^ )日本は平和だ。
なんか最後変な方向に行きかけましたが、また次回の記事で!
人気ブログランキング
コメント
コメントを投稿