マンガの立ち読みは違法?二項犯罪と利益窃盗の話。
皆さん、マンガって読みます?
僕はマンガが大好きで、学生の頃はマンガ雑誌もよく読んでいました。
昔は立読みもできたため、気兼ねなしにコンビニなどで立読みしたこともしばしば。
この立読みって、よくよく考えてみたら、本自体は盗んでいないけれど、その中身はそっくり盗んだようなもの。
写真で本の内容を撮るのも同じですね。
記憶するか写真にするかの違いであり、なんか違法っぽさがプンプンする感じが…。
ということで、今回は立読みについて考えてみたいと思います。
二項犯罪
二項犯罪って聞いたことありますか?
ここで「はい!」と言える方がこのブログを読んでいたら、多分それは法律に関わっている方なので、ぜひ周りにどらログを勧めてください( ^ω^ )
大部分が「いいえ」と答える前提で、いくつか条文を紹介します。
刑法235条
1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
刑法246条
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
刑法249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
上の各条文、それぞれ強盗罪、詐欺罪、恐喝罪であり、いずれも他人の財産を自分のものにすることから「領得罪」と呼ばれます。
これらの犯罪、どれも2項で同じように財産上の利益に関する場合を規定していますね。
財産上(不法)の利益とは、財物以外の財産上の利益の一切を意味しています。
借金をチャラにさせたり、タダでタクシーに乗ったりなどが典型例としてイメージしやすいかと思います。
財物を取得した訳ではないけれども、どちらも経済的に得していますよね。
こういったものを「財物」と区別して「財産上の利益」と呼び、暴行や脅迫などで脅したり、騙したりしてこれらの財産上の利益を得る行為(強盗・恐喝・詐欺)も犯罪として処罰対象にしています。
1項で形ある財物を自分のものにした場合を規定し、2項で形のない財産上の利益を得た場合を規定する構造です。
こういった財産上の利益を得た場合の処罰規定が二項に規定されていることから、二項犯罪といったりします。
僕のブログで何度言ったかわかりませんが、ほんと安直( ^ω^ )
ちなみに、もしこの2項の規定がなければ、脅して金を奪った場合は処罰され、脅して借金をチャラにさせた場合は不可罰となってしまいます。どちらも脅して経済的利益を得ている点で共通するにもかかわらず。
これを罪刑法定主義といいましたね。
二項窃盗?
ここで本題。窃盗罪も、先程の3つの犯罪と同様領得罪です。暴行や脅迫、欺罔行為をせずに人の物を盗むわけですから、むしろ領得罪の典型ですね。
条文を確認してみましょう( ^ω^ )
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
…
…
…
(`pωq´)ゴシゴシ
∑( ̄Д ̄ )
二項が規定されていない…?!
そうなんです。
窃盗罪には財産上の利益を得た場合の処罰規定がないのです!!
冒頭のような利益のみを享受する行為を「利益窃盗」と言ったりしますが、日本の刑法では、この利益窃盗、犯罪ではないのです!
よくよく考えると、窃盗以外の領得罪は、財物又は財産上の利益を得るために何らかの違法な手段(暴行や脅迫、騙し行為)を用いていますが、窃盗はこれらの手段を使っていません。
そのため、他者に不当な影響を与えて無形の財産を取得するということが考えにくく、刑罰で規制するほどのものとは考えなかったのかもしれません。
気になる人は学者の本を漁ってみましょう( ^ω^ )
今回のまとめ
以上のとおり、利益窃盗の代表格である立読みは刑法上不可罰となります。
写真を撮る行為自体も、刑法的には犯罪ではありません。
もっとも、写真を撮る行為は、お店で禁止したりしていますし、著作権法違反にもなり得ます。
何よりとても白い目で見られますね( ^ω^ )
皆さん、本はしっかり買って読みましょう( ̄∀ ̄)
あとがき
最近、実家からマンガ含め諸々処分するとの連絡が来ました( ・`д・´)
雨漏りしてて梅雨に入る前に工事する必要があるとのこと。
他の物は最悪全部捨ててもいいんですが、マンガだけは救出せねば!!
ということで久しぶりに実家に行こうかと思います( ^ω^ )
最近電子書籍にも慣れてきたので、とりあえず全部PDFにしようかな(´・∀・`)
皆さんオススメのマンガがあれば、ぜひ教えてください(゚∀゚)
それではまた次の記事で!
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