結婚式のご祝儀は取り返せる?!ご祝儀と贈与の話。
どうも、どら弁です。
タイトルからして穏やかではありませんね。
弁護士と結婚式、不幸な感じがするのは僕だけでしょうか。
さて、結婚式!みなさんはいくつくらい参加しましたか?
僕は一時期のピークを過ぎましたが、ありがたいことに今年は2組から招待されています。
コロナになってから冠婚葬祭の在り方にも変化があり、大人数が集まることとなる結婚式についてもいろいろ意見があるかもしれません。
ですが、個人的には、仲の良い友人の幸せな姿が見られる結婚式という場は、あり続けて欲しいなと思います。
てかその前に早くコロナ無くなれ。
そんな中で、栄えある最初のテーマ。
結婚式に参加するときに納めるアレ、ご祝儀を法的に分析してみようと思います。
せっかく大金払って参加したのに、すぐ別れた場合取り戻せないの?って脳裏を掠めたことのある方には少しでもタメになるかもしれません。
……。そうです、弁護士とは、幸せな人生を歩んでいる限り、なかなか接点を持たないものです。そういう意味では「弁護士に相談したことがない」というのはとても幸せなことだと思います。
僕に仕事がなくなれば、世界は少しだけ幸せになっているのかもしれない。僕は不幸だけど。
ご祝儀って何?
そもそもご祝儀とは何なのでしょうか?
Wikipediaで調べてみました。
祝儀(しゅうぎ、御祝儀・ご祝儀)は、時節や時期や機会や出会いなど、人生や日常においての節目節目に金品を贈る行為。
こうも記述されていました。
慶事(喜ばしい時)などの祝意やその互助活動の手間に対する謝意を表すために贈る金品のこと
この定義からすると、ご祝儀って、結婚式に限るものではないみたいですね。知らんかった。
ただ、ここで重要なのは「祝意や謝意を表すために贈る金品」であるということ。
そう、ギフトです。
才能のほうではありません。
タダで貰える物ほど高い物は無い、と聞いたことがありますが、貰える物は貰っておくタイプです。僕は。
ご祝儀=贈与
脱線しましたが、ご祝儀とは、節目(結婚式など)に贈る金品であり、法的には贈与(民法549条)に当たります。
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。(民法549条)
小難しく書いてありますが、要は「見返りを求めずに『あげる』『もらう』という約束をすること」です。
ご祝儀も、お祝いの気持ちであげるのであって、何か特定の物とかの見返りを求めているわけではないですよね?
まぁ出席する側としては、美味しい料理や素敵な引出物を期待しますが、1番は誓いのキスです。
あのときだけめっちゃケータイの連写音が鳴り響く。
話を戻します。
ご祝儀とは法的に見ると贈与契約という契約類型に分類されます。
そしてこの贈与契約には、履行するまでは撤回できるという特性があります。
書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。(民法550条)
口約束の贈与であれば、途中で心変わりして取りやめることができるというものです。
注意点は但書きの「履行の終わった部分については、この限りでない」という部分。
すなわち、贈与しちゃったら「やっぱ返して」とは言えない、ということです。
一口に贈与といっても、法律上は結構きちんとルールが決まっているんですね。
今回の結論
これをご祝儀の場合で見ると、ご祝儀をあげるのは、受付でご祝儀袋を渡すとき(より分析的に見ると、受付の人には受領権限が授与されている)、となるので、このときまでは取りやめることができますが、渡しちゃったらもう返してとは言えません。
仮にその状況で「やっぱあげない」と言える鋼のメンタルの持ち主は、そもそも結婚式には行かない気がするけど。
つまり、一度あげてしまったご祝儀は、その後にすぐ離婚しても「返して」とは言えません。
…うん、当たり前ですよね。
でもこの「当たり前」と法的結論が整合することも、法律では大切なことなのです。法律は国民の信頼を基礎としますからね。「当たり前」とズレる解釈は国民の信頼が得られません。
なんか綺麗な感じで強引にまとめた??
はい、いかがでしたでしょうか?
全くタメにはなっていませんが、ご祝儀と贈与の話。
結論的にはご祝儀は取り返せません。というか取り返すための弁護士費用の方が掛かるので頑張るだけ損します。
ご祝儀を渡すときは気持ち良く、祝福の気持ちで渡しましょう( ^ω^ )
こんな感じで試行錯誤しながらコツコツ記事を更新していくので、これからもよろしくお願いします。質問等あればコメントくださいねヽ(・∀・)
なお、今回の記事含め、どらログの記事は全てどら弁の個人的見解となります。メディアリテラシーを大切に!
ちなみに
契約には「条件」というものが付けられるので、例えば「結婚式から1年以内に離婚したら贈与もなかったことにする」という条件を付けていれば(これを「解除条件」といいます)、結婚式から1年以内に離婚した場合、ご祝儀を返してといえるかもしれません。
※この場合、不当利得となりますが、ご祝儀は結婚式費用に充当されていると思いますので、現存利益が残っておらず、結局返還を求めることは難しそうですが(民法703条)。
こんな条件を付けてご祝儀を渡す鋼のメンタルの持ち主は、結婚式なんて(以下省略)。
それでは次の記事で!
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文章が面白くて、吹き出し、むせてしまいました(^◇^;)
返信削除難しい法律をわかりやすく面白く読めるので、今後も楽しみにしています。
初コメだけでも嬉しいのに、お褒めの言葉\(^o^)/
削除今後も楽しんでもらえるよう頑張ります!!