犯罪者への道!犯罪の成否と刑事裁判の話。

皆さん、突然ですが犯罪者はいつ犯罪者になるかご存知ですか?

はい、物騒ですね。もう気にしません( ^ω^ )


今日は総論的に、刑事裁判の基本をわかりやすく説明しようかと思います。


犯罪の成立


犯罪の成立には大きく3つ、満たすべき要件があります。

①構成要件該当性
②違法性
③責任

① 構成要件該当性

犯罪は、法律で全て規定されています。
逆に法律で規定されていないと殺人だって犯罪ではありません。
これを罪刑法定主義といい、憲法31条で定められています。

ちなみに殺人は刑法199条で明確に定められてるので、まごう事なき犯罪です( ^ω^ )

刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

殺人罪でいえば、「人を殺した者」という部分を構成要件といい、これに該当する行為をすることで構成要件該当性が充足されます。

②違法性

構成要件に該当しても違法でなければいけません。
まぁ法律で規定されている犯罪は基本違法ですから、構成要件に該当すればこの違法性は推定されます。
ここで問題となるのは正当防衛などですね。

人を殺す行為でも、殺されかけた防衛のために殺してしまったら、正当防衛として違法性がなくなり、犯罪にはなりません。
これを難しくいうと違法性が阻却される、といいます( ー`дー´)
はい、厨二です。

ちなみに、正当防衛にかこつけて過剰な防衛行為をしてしまうと、過剰防衛(ネーミングそのまま(´・∀・`))として違法は阻却されませんので気をつけましょう( ^ω^ )


③責任

悪いことに刑罰を科すのは、二度と起こさせないため、という意味合いがあります(他の意味もありますが今回はスルーします( ^ω^ ))。

そのため、行った行為が「悪いこと」だという非難の対象であることを理解できなければ、刑罰を科しても「なぜ刑罰が科せられるのか」を理解できません。
刑罰を意味のあるものにするためにも、この「責任」という要件が必要なのです。
非難可能性(やった行為を「悪いことだ!」と非難できる余地)とも言えますね。

時たま、癲癇の持病のある方が運転中に癲癇の症状を起こして交通事故を起こしたものの、無罪となる裁判例がニュースになりますが、その理由はこの「責任」の要件を満たさない、というもの。

わざと癲癇を起こして交通事故を生じさせたわけではありませんから、非難可能性がないわけです。

被害者からすれば許せない気持ちもあるかと思いますが、日本の刑事法はそういう建前をとっています。

ちなみに、結果が同じでも、その結果が「わざと」引き起こされたものでなければ、「悪いことだ!」と非難できませんから、刑法は「故意責任の原則」を採用し、故意犯を処罰することとしています。
うっかり重い結果が生じてしまった場合、その結果の重さ(例えば人の生命を奪う)などに対応して過失犯も処罰していますが、これは例外です。

物を壊す器物損壊罪(刑法261条)に過失犯処罰規定がないのは、生じる結果の重さなどから、「うっかり」を処罰することまでは必要ないと考えられたからなんですね。


以上の要件を満たすと、犯罪が成立します。


犯罪の成立=有罪?


犯罪が成立しても、すぐに有罪になるわけではありませんね。

刑事裁判にかけられて、犯罪が成立していること(さっきの①〜③の要件)を検察官が立証し、裁判官が「普通に考えてコイツマジやってるわ」という印象を抱けば、有罪判決が出ます。

ちなみに、「普通に考えてコイツマジやってるわ」っていうのを法律では「合理的疑いを超える程度に確からしい」と言ったりします。

ものは言いようですね( ^ω^ )


なお、刑事裁判における弁護人の役割はチャチャ入れです(`・ω・´)

検察官の証明が甘いことを指摘して、裁判官に「コイツ、ワンチャンやってねぇんじゃね?」と思わせたり、被告人にはこういう事情があったんだなどを主張して適正妥当な処罰にしてもらうことを目的とします。
大抵検察官が求める刑罰は重いので、適正妥当な処罰を求める弁護活動は刑罰を軽くすることに繋がります。


今回の結論


さて、ここで冒頭の問いに戻ります。

犯罪者はいつ犯罪者になるのか?

弁護人のチャチャ入れ虚しく検察官が立証し切り、裁判官が「てかマジ普通に考えてコイツやっとるわ」と思った段階で有罪判決が出ますので、このときにようやく犯罪者の仲間入りです。

犯罪者になるのも大変ですね(´・∀・`)

ちなみに、判決には不服を言えますので、正確には不服が言えない状況=有罪判決の確定時に犯罪者です( ^ω^ )


犯罪を実行した段階では、ただの「犯罪したっぽい人」。

なんか一気にバカっぽくなりましたが気にしません(゚σ・・゚)


「犯罪したっぽい人」。すなわち、判決が確定するまでは犯罪者ではない(=無罪)というのが刑事裁判の大原則。

これを「無罪推定の原則」といいます。

これも憲法31条から導かれる原則。

憲法31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。


うぅむ…。無罪推定の原則、ギリ導けそう?

法学は文系学問ですからね。筆者の気持ちを120%読み込みます( ^ω^ )


あとがき


はい、というわけでいかがでしたか?
今回は身近な考察を離れて刑事裁判の基礎のお話。

これ説明しとかないと、後々痴漢の話とかホント説明するの大変なんすよ。という大人の事情回でした。
なんかえっちですね。

まぁ犯罪者になるのも一苦労、ということで、皆さん犯罪は絶対ダメですよ( ^ω^ )


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